金髪DEV

最近はモバイルアプリの企画・開発に携わっていたりします

2016年、モバイルアプリとWebサービスを取り巻く3つの話。

気づいたら半年もブログを放置していました… 今年はどんな年になるのでしょう? 個人的に思っている3つのことをまとめました。

目次

  • 法人向け製品を作るスタートアップが盛り上がる
  • サービスECというありそうでなかったジャンルが花を咲かせる
  • 開発はよりハリウッド型に、成功はチームでしか成し得ない。

法人向け製品を作るスタートアップが盛り上がる

ここ数年、スマートフォンの普及にともない個人向けのサービスに焦点が当たることが多かったように思います。FacebookTwitter・LINEなどのプラットフォームであったり、リッチ化したソーシャルゲーム、ニュースアプリ、フリマアプリ、などなど…。ただ昨年後半は何か違う兆しを感じました。

例えばクラウド会計ソフトの「 freee(フリー)」。会計ソフトといえば弥生や勘定奉行などインターネットが普及する前から有名だったパッケージソフトがあるわけで、いまさら…?という感じがすると思います。freeeは昨年、大きな資金調達をしました。

あとはTechCrunch Tokyo2015のスタートアップバトルで優勝した労務管理の「SmartHR」。これもfreeeと同じで弥生・勘定奉行の中に合ったり、他の勤怠管理システムを構築している会社が作っていたようなソフトです。

ちょっと色は違いますが、飲食店の予約台帳「トレタ」も同じような感じかなと思います。今まで紙で管理できていたものをなんでいまさら…?という感じがします。トレタも昨年、資金調達やセールスフォースとの業務提携で話題になりました。

昨年後半に注目を浴びた法人向け製品を作っているスタートアップにはこんな共通点があると僕は思いました

  • 業務上の「困った」を解決しようとしている
  • ぎりぎりExcelや紙でも管理できることをWebやアプリでより簡単にしている
  • 使いやすくて美しいUIデザインでサービスを提供している
  • 低価格で提供できる仕組みづくりをしている(サービスのクラウドでの提供など)

日本は少子高齢化社会、企業はどこも人手不足に悩んでいます。仕事を効率化・自動化できるソフトはこれからますますニーズが広まっていきます。ようやく世の中のニーズに答えられるITソフトウェア(特に中小企業向けの)が生まれてきました。法人向け製品は今年より一層盛り上がるのではないかと思います。

サービスECというありそうでなかったジャンルが花を咲かせる

「サービスEC」という言葉はヤフー小澤隆生氏がSoftBank World 2014で「ECの10の未来予測とYahoo!JAPANの戦略」という話の中で出していたキーワードです。旅行、飲食店、マッサージ、車検、ゴルフ場、内装の工事の予約・申し込みなど…モノ以外の電子商取引Yahoo!JAPANでは「サービスEC」と呼んでいるようです。

過去、インターネットは調べるだけのものでした。なので目当てのものが見つかったら電話で問合せたり、資料を取り寄せたり、メールを送ったりすることしかできませんでした。それが次第にネット上でモノを売り買いできるようになり、今少しずつモノが存在しないサービスを売り買いできるようになってきています。例えば旅行サイトのじゃらんやHISでは電話で問合せたりすることなく、旅館の予約や飛行機の手配が出来て、クレジットカードで決済ができます。最近では映画館も家や外からネットで席を選んで予約をし事前にチケットを購入しておくことが出来ます。

普通のECではモノが在庫として取り扱われますが、サービスECにはモノがないため在庫の扱いが業種によって異なります。座席の空き時間や、サービスを提供する担当者の空き時間が在庫になります。今まで「空き時間」はなかなか電子化出来ず、ECの在庫として持つことが出来ませんでしたが、徐々にそれも実現しつつあります。あらゆるサービスがネットで事前に申し込みできて決済までできるようになる、これは2020年の五輪までにある程度普及するのではないかと思います。

Yahoo!JAPANによる一休.comの買収は日本のサービスEC活性化の大きな一歩になったのではないでしょうか?

開発はよりハリウッド型に、成功はチームでしか成し得ない。

今までWebサービスやモバイルアプリは良い意味でも悪い意味でも一発当てられる市場だったのかなと思います。小さな思いつきや突拍子もないアイデアが安価に世界中に発信でき、広がるときはものすごい勢いで広がる。

しかし作れる人が増え、たくさんの資本が参入している今、求められる製品の完成度は高くなっています。昔は装飾がなくても受け入れられていたようなサービスが、今はダサくて使われません。お客さんの舌はかなり肥えてしまったのです。

ある程度完成度が高くたくさんの人に使ってもらえるサービスを作るのは普通の人が1人で作るのは無理で、様々な専門知識に長けたチームを作って共同で開発するのが今の当たり前の現場です。そしてこのチームは徐々に大きくなってきています。Webサービス一本立ち上げるのに「ディレクター・デザイナー・エンジニア」の3人ぐらいで出来ていたのが数年前、今はアプリを作るためのエンジニアやグロースの知識に長けたグロースハッカー・データアナリストやら、今まで別部署だったプロモ担当者や営業担当者も一緒に巻き込んでいかないとサービスは成功しなくなってきました。

大きな成功を得るには、ハリウッドの映画を作るような莫大な投資と人員が必要になってきました。モバイルアプリやWebサービスに関わる人々は今まで以上の組織づくりが求められています。

おまけ

昨年末、念願のベトナム旅行に行ってきました。次は仕事で行きたいです。

ホーおじさん。 #ベトナム